アビエチン酸系化合物の殺菌作用と病原性抑制作用

日本防菌防黴学会 第50回年次大会において
「アビエチン酸系化合物の殺菌作用と病原性抑制作用」(荒川化学との共同研究)
の題目で就実大学 山田 陽一准教授がポスター発表しました。

日本防菌防黴学会 第50回年次大会において共同研究内容
「アビエチン酸系化合物の殺菌作用と病原性抑制作用」(荒川化学との共同研究)
という題目で就実大学 山田 陽一准教授がポスター発表しました。

[目的]
・ロジン由来のアビエチン酸(AA)系化合物は、抗炎症作用、抗潰瘍作用をはじめ様々な効果を有することが報告されており、応用範囲が広い化合物と考えられている。いくつかのAA系化合物は細菌に対して殺菌作用を示すだけでなく、感染初期の重要なファクターである付着の阻害作用(バイオフィルム(BF)形成阻害効果)を有している。そのため、AA系化合物は細菌感染症の予防に特に効果的であると考えられる。就実大学では企業との産学連携で、デヒドロアビエチン酸(DAA)を使用した殺菌効果とBF形成阻害効果を併せ持つ抗菌シートの開発を行っている。AA系化合物には、様々な種類が知られていることから、それら化合物の中には抗菌効果のより強力な物質が存在することも考えられた。そこで、本研究では、ジヒドロアビエチン酸(DHAA)とテトラヒドロアビエチン酸(THAA)について、殺菌効果やBF形成阻害効果を調べた。

[結果]
DHAAとTHAAはグラム陽性菌に対して殺菌効果とBF形成阻害効果を示し、またこれらのAA系化合物の殺菌の作用機序として、膜損傷性がその一因であると考えられた。これらの結果からDHAAとTHAAは、抗菌活性とBF形成阻害効果を併せ持つ感染症対策に有用な物質であると考えられる。



 

 主催:日本防菌防黴学会 

 発表日:2023年8月31(木)

 発表者:就実大学 生命薬学部門 微生物学 准教授 山田 陽一

 (日本防菌防黴学会 第50回年次大会URL:https://www.saaaj.jp/conference/)

 

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