
二酸化炭素(CO₂)吸着ポリアミン
本記事はこの方が監修しました。
荒川化学工業 研究開発本部 コーポレート開発部 主任研究員
須田 雅彦
はじめに(地球温暖化に関して)
平均気温や海水温の上昇、記録的な大雨、台風などの異常気象、大規模な森林火災。これらは全て、地球温暖化(近年は「地球沸騰化」ともいわれる)が関係しているといわれている。地球温暖化の一因である世界の二酸化炭素(CO₂)排出量は増え続け、2024年には過去最高の416億トンに達すると予測されており、もはや「CO₂を減らすこと」は人類共通の課題である。
「地球温暖化(地球沸騰化)」は今や全世界における問題になってて、CO₂の削減が急務だっていうのはよくニュースで聞いたりするんだけど、我々荒川化学のような化学会社もなにか貢献できることってあるのかな?なんとなくCO₂を削減するっていうと、再生可能エネルギー由来電力を導入したり、太陽光発電をつけたりっていうのは聞いたりするけど・・・・
確かに、そうした取り組みは日本企業全体で広がってきているんだけど
「化学」を知っている我々だからこそできる方法もたくさんあるよ。今回はそれの一部を紹介するね。
CO₂化学吸着法とは
CO₂化学吸着法とは、特定の材料に化学的に吸着させることでCO₂を取り除く技術を指す。
CO₂が材料と化学結合を形成するため物理吸着よりも吸着力が強く、低濃度のCO₂でも効率的に吸着できるという特徴があり、アミンや金属有機構造体(MOF)などを用いてCO₂を捕集する手法で、運用環境を選ばない。
「化学吸着」とか「物理吸着」とか難しい言葉が並んでるけど、当社が貢献できる吸着法は「化学吸着」ってことなのかな?
ご名答!当社が貢献できる材料は「化学吸着」だよ!
「物理吸着」っていうのは大気中のCO₂が材料にくっついたときに「ふわっと触れるだけ」で、簡単に離れてしまうのをイメージするといいよ。一方で「化学吸着」っていうのは触ったり、こすったり、熱をかけたり外部から力を加えてもそんな簡単に離れないものをイメージするといいかな。「化学吸着法」はこういった特徴から空気中の少しだけのCO2でもしっかり捕まえることができるので、工場の排気ガスの中のCO2も上手に取り除くことができるんだよ。
「化学吸着」ってすごい技術なんだね!実際の材料が一体どんなものか知りたいなぁ!
二酸化炭素(CO₂)吸着用ポリアミンに関して
(荒川化学製)
ここからは当社の「化学吸着」材料を説明していくね。当社は従来から「紙用薬品」をずっと開発していることもあって「水系ポリマー」の設計・合成が非常に得意なんだ。この「水系ポリマー合成技術」を駆使しながら、CO₂吸着材として効果のある「アミン部位」を導入することで「二酸化炭素(CO₂)吸着用ポリアミン」を開発したんだ。
「水系ポリマー技術」を使うと以下のメリットがあるんだ。
・水系→高い安全性、低環境負荷
・ポリマー設計:不揮発性、耐久性(耐熱性、耐酸化性)
「アミン」っていうのは元々デメリットとして「酸化」しやすいというのがあるのだけれど
こういったポリマー設計にすることによってその「酸化」も抑制できるというメリットがあるんだよ。
へーーまさに「荒川化学」の技術だからこそできた開発品って感じがする。
この開発品は液体物なの?
そこもお客様の要望に応じて、調製可能だよ。近年では液体物へのCO₂吸着は放出するときに加熱が必要だったり、漏洩の心配もあるからね。担体(シリカ等)に含侵させた固体タイプにも対応しているんだ。
CO₂吸着量について
固体タイプに関してはどれくらいCO₂が吸着できるのか一部紹介しておくね。
今回提供できるサンプルは3つなんだけど、そのうち「サンプル1」は特にCO₂吸着量に特化したポリアミンになるよ。担持量の調製で他社品以上の吸着量達成も可能なんだ。
サンプル2、3に関しては吸着量はサンプル1よりも落ちるけど、その分吸着性能の低下が少なく長期の使用に適したサンプルなんだ。こちらに関しては実際資料をダウンロードしてみてね!
▼CO₂(二酸化炭素)吸着性能における資料の一部をご紹介!
商品群も豊富ですごくおもしろい材料ってことがわかったよ。僕も二酸化炭素吸収効果持ってるだけどこれは負けてられないな!
ははは、今後もCO₂の吸着力アップ向上などの研究開発進めていく予定だよ。この開発品ついての詳細はこちらから確認できるよ↓
⇒二酸化炭素吸着用ポリアミン|資料ダウンロード|荒川化学工業株式会社
おわりに
「二酸化炭素吸着用ポリアミン」は当社が得意とする「水系ポリマー技術」を駆使して開発された新素材です。特徴としては、ポリマー設計を駆使することにより二酸化炭素吸着性、脱着性を制御することが可能。長期利用のために、耐久性の高い素材となっております。今後荒川化学ではさらに検証を重ね、吸着量の向上など新たな可能性を見出していく。
荒川化学培った技術を知りたい方はこちら↓
▼荒川化学工業が培ってきた技術|技術・事例紹介|荒川化学工業株式会社
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