
アビエチン酸系抗菌・抗バイオフィルム剤
本記事はこの方が監修しました。
荒川化学工業 研究開発本部 フォレストケミカル開発部 TFグループ研究員
柳生 義貴
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.アビエチン酸とは?
- 3.抗バイオフィルム性について
- 4.開発品RBシリーズについて
- 5.おわりに
はじめに
2020年初頭から猛威を振るった新型コロナウイルス感染症。そのなかで、「抗菌」や「抗ウイルス」といった要求が高まり、世間からの関心が集まっている。抗菌薬や抗ウイルス薬など病原体に効果を示す薬剤が開発される一方、新しい病原体も次々に出現しているため、感染症対策は喫緊の課題と認識されている。
私たちの生活において、感染症対策は必須になっているね。身近なことだから、より安全に対策をしたいけれど、何かいいものはあるのかな・・?
実は天然由来成分で抗菌性をもっている物質があります!
アビエチン酸とは?
天然資源の松から採取される「ロジン」の主成分で、アビエチン酸誘導体は食品や医薬品化粧品用途で長年利用実績のある天然由来物質です。アビエチン酸誘導体は胃潰瘍抑制効果、血小板凝集抑制作用、抗炎症作用、抗潰瘍作用、抗癌作用を有することなどが報告されていて、ライフサイエンス分野に広く応用可能な化合物として知られている。
なるほど!天然由来物質で高い抗菌性があるのは、日常生活での感染症予防のときに安心して使えるね!
アビエチン酸が持つ効果は「抗菌性」だけではなく、実は「抗バイオフィルム性」も有することを見出しているんですよ。
抗バイオフィルム性について
バイオフィルムとは細菌が膜状のコロニーを形成したもので、身近な例では歯垢や浴室のヌメリなどが挙げられます。
バイオフィルムの役割としては、
① 細菌を物質の表面に強固に付着させる
② 抗菌剤や免疫細胞から細菌自身を守る
③ 細菌の増殖を助ける
以上のことから、バイオフィルム形成を阻害できれば、細菌の増殖を抑制することが可能となる。
細菌を死滅させる抗菌ではだめなの?
確かに抗菌剤は強力な殺菌効果があるけれど、細菌がそれに対して(薬剤)耐性を持ってしまう可能性もあります。バイオフィルム形成を阻害すれば、耐性を持った細菌の出現防止が期待できるんだよ。
開発品RBシリーズについて
荒川化学工業では、アビエチン酸系抗菌・抗バイオフィルム剤として開発品RBシリーズを提案している。抗菌性・抗バイオフィルム性のいずれにおいても、黄色ブドウ球菌とミュータンス菌の抑制効果を確認した。
▼抗菌性における資料の一部をご紹介!
抗菌性については、そのほかにも効果を発揮する細菌が存在しているみたいだね。
そうだね、引き続きどの細菌に効果を発揮するのかを検証していく予定だよ。この開発品RBシリーズの活用方法についての詳細はこちらから確認が出来るよ。
⇒アビエチン酸系抗菌・抗バイオフィルム剤|資料ダウンロード|荒川化学工業株式会社
おわりに
アビエチン酸は松の木から得られるロジンの主成分であり、抗菌・抗バイオフィルム性を有していることが見出されました。さらに検証を重ね、新たな可能性を見出していく。
ロジンについて詳しく知りたい方はこちらからもご確認いただけます!
▼天然由来成分 ロジンについてはこちら
⇒荒川化学工業が培ってきた技術|技術・事例紹介|荒川化学工業株式会社
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